前回から引き続き、常総市の視察報告となります。まずは新庁舎の概要について市HPより引用します。

引き続き新庁舎の洪水による被害状況について、視察時の資料から抜粋しています。市庁舎は9月11日深夜から12日早朝にかけて浸水し、9月15日から10月31日にかけて復旧作業を行い、その間、仮設庁舎で業務を行いました。復旧費用については本庁舎58,600千円、議会棟26,359千円となっており、水に浸かった木製品や壁はカビ発生により撤去しました。なお、1階にあった重要書類については、避難が間に合わなかったものがあり、現在、専門家、ボランティア及び市職員により1枚1枚復旧作業を進めています。


今回、新庁舎を目的に行政視察を行いましたが、質疑応答や施設の見学については、「防災」関連が中心となりました。鬼怒川と同じく、たびたび水害の被害を受けてきた石狩川流域に住む我々としては、常総市の経験を新庁舎に反映していかなければならないところです。
まず、災害対策本部についてですが、今回、視察の説明を受けた庁議室(75m2)が災害時の災害対策本部とされていましたが、災害時に機能不全となりました。庁議室は普通の会議室であり、電話回線が1本、テレビに至っては経費削減のため撤去された状況でした。
また、災害対策関係部門が2階、庁議室が3階であるため連絡調整が困難となりました。面積が狭いこともあり、国土交通省、自衛隊、警察等の連絡員が駐在する場所もありませんでした。
さらに、セキュリティについても市民エリアと執務室が分けられていなかったため、外部の人が出入り自由となり、いたずらに混乱を招きました。
災害対策本部の機能として、防災担当者等と質疑により、以下の点について確認しました。
- 災害対策本部はそもそも水害の被害が予想される場所に置くべきではないこと
- 電話回線は15本以上、1500w以上の電力、テレビ、アンテナ回線設備は必須
- 外部連絡員の駐在スペース
- 避難場所は市庁舎ではなく他の場所に設置すべき
- 対策本部と業務を実施する部門は分離すべきではないこと
実際、水害後に市では以下の対策に取り組みました。
- 受変電設備及び非常用発電施設に防水壁を設置
- 蓄電池(太陽光発電)を1階から2階
- 災害対策本部の見直し(庁議室から大会議室へ)
- 庁舎出入口に防水板を設置
今後の浸水対策として次の項目を予定しています。
- 受変電施設及び非常用発電施設を2階以上の高さにあげる
- 文書保管の建物の建設(2階以上に保管)
- 本庁舎以外での災害対策本部の設置
常総市の教訓としては、災害対策本部の機能、電源等重要設備の水害対策、災害時における組織の運用方法に課題があったことがわかります。砂川市においては庁舎建設予定地については公民館付近に決まりました。我々も災害に強い建物というハードとともに防災計画の運用というソフトについても覚悟を決めなければなりません。「いざと言うときには対策本部を高台にもっていけばよい」という安易な考えでは、市民の生命・財産は守れなくなります。常総市をはじめ、各地の教訓が反映された新庁舎にすべく議論を深めたいと考えます。


