N国東大阪市議の当選無効「住所要件備えず」大阪高裁判決

N国東大阪市議の当選無効 by 毎日新聞

 2019年9月の東大阪市議選で当選した「NHKから国民を守る党」(現・NHK受信料を支払わない方法を教える党)の嶋谷昌美市議は市内での居住実態がないとして、次点で落選した候補が当選無効を求めた訴訟の判決で、大阪高裁は25日、当選を無効とした。

東大阪市のNHK党会派市議 当選無効 by 産経新聞

 判決は、嶋谷氏が投票前に1カ月以上、川西市の住居で女性と同居していたと認定。東大阪市での電気、ガス代が低額だった点に触れ、「夏場の選挙でエアコンなどを控えたとは考えられず、本拠は東大阪市ではなかった」と結論付けた。原告の男性は「住所要件を満たさない立候補者がいなくなることを願う」とコメントした。

 以上、引用おわり

 なお、原告の男性は次点で落選した共産党の浅野耕世元市議で氏は市選管及び府選管に異議を申し立てていたものの退けられていました。

 

南陽市議の当選無効判決(2月5日追記の記事有り)

 電気量減、居住実態認めず 南陽市議の当選無効判決 by 朝日新聞

 昨年3月の山形県南陽市議選を巡り、初当選した議員が市内に住んでおらず被選挙権がなかったとして、落選した男性が県選挙管理委員会を相手取り、当選無効を求めた訴訟の判決が20日、仙台高裁であった。

 訴えていたのは、市議選に現職で立候補して落選した山口裕昭さん(55)。被選挙権について、公職選挙法は市町村議選では、その市町村に住所を3カ月以上持つことを要件としている。小松氏は2019年11月、妻と暮らす高畠町の住宅から母親が1人で住む南陽市の実家に住民票を移した。

 山口さんは落選後、市選管や県選管に当選無効を求める異議や審査を申し立てたが、いずれも棄却されていた。判決について、「主張が通ってありがたい。県選管と市選管は真摯(しんし)に受け止めてほしい」と話した。

 南陽市議の当選「無効」 by yahoo!ニュース

 一方、当選無効の判断を受け、小松氏は「明らかに市内に居住しており、当然、判決は納得いくものではない。県選管の対応を見守るとともに(証言や証拠の提出など)求められることがあれば全面的に協力する」と述べた。

 以上、引用終わり。

 最高裁に対する上告は、次の上告理由が存在する場合に限られます。

  • 憲法解釈の誤り又はその他法令違反があること
  • 重大な手続き違反(絶対上告理由)があること

 小松氏に居住実態を証明する証拠があったのであれば、高裁において提出すべきでした。今さら提出するとしても民訴法157条によるところの「時機に遅れた攻撃防御方法」というほかありません。

 そもそも、上告審は法律審ですから、上告審の審理対象は法律問題に限定されます。つまり、最高裁は原則として原判決で認定された事実に拘束されることから、小松氏の「新証拠」が最高裁において日の目を見る可能性はほぼありません。

 したがって、この事件については、この高裁判決をもって事実上完結したといってよく、あとは行政訴訟にありがちな当事者の「面子」の問題で上告するか否かの判断になるのではないかと思います。

(2月5日追記)

 南陽市議選当選無効 上告断念へ by NHK

 県選挙管理委員会は上告するかどうか協議しましたが、「適法な不服申し立ての理由がないと判断した」として、上告期限の4日、最高裁判所への上告を断念しました。
 4日の上告期限が過ぎると、小松議員の当選無効の判決が確定します。
 判決が確定した場合、南陽市選挙管理委員会は選挙会を開き、次点で落選となった山口元議員を当選とする手続きをとることになります。
 小松議員はNHKの取材に対し、「南陽市に居住実態はあったので、上告しないという判断は不服だ」と述べました。

 南陽市議選・男性議員の“当選無効” 県選管が上告断念で確定 by yahoo!ニュース

 県選管が上告を断念したことで、当選は無効とした高裁判決が確定することになります。訴えが認められ復活当選することになった山口元市議は、「上告すると思っていたので驚いたが、改めて市民のために頑張りたい」と話しています。

 以上、引用終わり。

 行政庁としての「面子」と高裁における事実認定の結果を踏まえた上告審における「勝訴の可能性」を比較検討した上で、県選挙管理委員会はようやく「理性的」かつ「合理的」な判断ができたようです。

 司法システムは国民共有の財産であり、勝訴の見込みがないにも関わらず「面子」にこだわり上告するような不経済な訴訟は一国民としても容認し難いところです。

 いずれにせよ、選挙の公正は司法により守られ本来の役割を果たせなかった市選管及び県選管については今後の検証が不可欠であり、この点の追求については、是非、山口議員の活躍を期待したいと思います。

猪名川町議が失職 最高裁が上告棄却

猪名川町議が失職 最高裁が「当選無効の撤回」棄却 by 神戸新聞

 「昨年9月の兵庫県猪名川町議選で、選挙区内に居住実態がなかったとして県選挙管理委員会が中西典章氏(45)を当選無効とした決定について、中西氏が撤回を求めていた訴訟で、最高裁が上告を棄却したことが分かった。棄却決定は今月22日付。地方自治法により中西氏は失職した。今後、次点だった町議選候補者が事実上の繰り上げ当選となる見込み。」

猪名川町議会議員の失職が確定 by NHK

「町の選挙管理委員会によりますと中西氏は去年9月の選挙で初当選しましたが、その後、落選した候補の男性から「中西氏は町内で3か月以上生活していた実態がない」などと異議の申し出がありました。このため選挙管理委員会が調べたところ、公共料金の使用状況などから被選挙権がなかったと判断し、去年9月、当選を無効とする決定をしていました。
 中西氏が裁判で決定の取り消しを求めていましたが、最高裁判所が訴えを棄却し、22日付けで失職しました。」

 この事件については、中西氏への異議申立時より経過を観察してきましたが、予想通りの結果となりました。なお、大阪高裁が7月に中西氏の訴えを棄却し、中西氏は8月に最高裁に上告していました。

 居住実態が争われた過去の同様な事件(寝屋川市、伊豆の国市、七尾市、横浜市等)について、最高裁は上告があってから5~6カ月程度で上告を棄却し、高裁判決を維持しています。

居住と認めず砂川市議の当選無効  NHK北海道 NEWS WEB

北海道 NEWS WEB

 去年行われた砂川市の市議会議員選挙で初当選した女性議員について、札幌高等裁判所は選挙前から市内に生活の本拠を置いていたとは認められないとして当選を無効とする判決を言い渡しました。

 当選が無効とされたのは、去年4月に行われた砂川市議会議員選挙で初当選していた共産党の高田浩子議員です。

 高田議員は選挙前にそれまで住んでいた深川市から砂川市に転居していましたが、居住の実体がないとして当選の無効などを求める訴えをこの選挙で落選した男性が札幌高等裁判所に起こしていました。

 17日の判決で札幌高裁の冨田一彦裁判長は「高田議員が選挙前に砂川市に転入したのは被選挙権を取得する目的だった。しかし、深川市の郵便局には市内のアパートが新住所だと届け出ていた」と指摘しました。

 そのうえで「光熱費や灯油の使用量などから深川市内のアパートで子どもと暮らしていたと認められ、選挙前から砂川市に生活の本拠を置いていたとはいえない」などとして高田議員の当選を無効としました。

 また、裁判所は原告の男性による審査の申し立てを退けた北海道選挙管理委員会の裁決についても取り消す判決を言い渡しました。

 判決について原告の男性は「選挙の不正は許されないと提訴したが、判例もあったので当然の結果と思う」とコメントしています。
 一方、被告の道選挙管理委員会は「判決の内容を精査し、上告するかどうかを含め今後の対応を検討する」としています。

令和2年(行ケ)第2号 当選無効請求事件 判決

主     文

1 原告による平成31年4月21日執行の砂川市議会議員選挙における当選人髙田浩子の当選の効力に関する審査の申立てに対し、被告が令和2年7月17日付けで行った原告の審査の申立てを棄却する旨の採決を取り消す。

2 前項の選挙における当選人髙田浩子の当選を無効とする。

3 訴訟費用のうち、補助参加によって生じた費用は被告補助参加人の負担とし、その余の費用は被告の負担とする。

六つの約束

 残念ながら無投票のため、皆さんにお知らせできなかった私の六つの約束です。アップロードしましたので、参考としてください。

 本日は、議会事務局に書類を提出し、正式に会派もスタートしました。体制も整い、いよいよ動きはじめたのを感じます。

選挙公報最終稿